Q.深谷顕史 議員(公明)
私は、これまで多額の予算を投じる可能性のあった順天堂大学附属病院の整備の是非に加え、医師の働き方改革による地域医療への影響を指摘し、医師不足対策をより効果的に進めるためには、その前提として本県が提供すべき医療の形を明確に示すべきと提案もしてまいりました。埼玉新聞による新春インタビューで、大野知事が県内の医師不足地域への影響として、「この計画が中止になることが最大の影響だと思っている」と述べているとおり、医師不足対策が約10年遅れたと捉えれば、県の責任も免れないと思いますし、今後より実効性のある施策を加速化させなければなりません。
そこで、順天堂大学附属病院整備計画の中止に伴う対応について2点、大野知事にお伺いいたします。
1点目に、今後も医師派遣をしてくれる病院誘致を続けるのかどうか。また、これまでの方針であった大学病院等の医師を育成する機関が県内に必要という観点について、現在はどうお考えなのか、お伺いいたします。
2点目に、整備予定となっていた800床は白紙になったということになりますが、この800床分は計算し直すと何床となり、その分は今後どうするのか早急に示さないと、埼玉医療圏の医療機関や県民に迷惑がかかるのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
A.大野元裕 知事
まず、「地域医療の在り方について」のお尋ねのうち、「順天堂大学附属病院整備計画の中止に伴う対応について」の今後も医師派遣をしてくれる病院誘致を続けるのか。また、これまで方針であった大学病院等の医師を育成する機関が県内に必要という観点について、現在どう考えているのかについてであります。
医師を派遣する病院誘致と、医師を育成する機関の必要性については、関連いたしますので、一括してお答えをさせていただきます。
人口10万人当たりの埼玉県の医師数は依然として全国最下位であり、医師の負担は現在も大きい状況と認識をしておりますが、大学附属病院の公募を行った平成26年と現在とを比較すると、県内の人口構成や医療提供体制は大きく変化をしています。
救命救急センターは7から11へ、災害拠点病院は16から22へ、地域枠設置大学は1校から8校へと増えております。
また、奨学金貸与者の義務従事者数は7人から現在161人に増えており、令和14年度には400人を超え、義務従事を終えられる医師も今後多数輩出されることが見込まれております。
このような状況を踏まえ、医師を派遣する病院誘致と、医師を育成する機関の必要性について、改めて県医師会、医療機関、さいたま市など関係者の御意見もお伺いしながら一から検討していく必要があると考えております。
次に、整備予定となっていた800床分は計算し直すと何病床になり、その分は今後どうするのかについてであります。
本県では、昨年4月からスタートした第8次埼玉県地域保健医療計画において、地域医療構想の実現に向け、2025年に必要とされる病床数の確保に向け、不足する病床整備を行うことといたしております。
今回、順天堂の整備計画が中止となったことにより、許可病床数と整備予定病床数の合計である許可等病床数が、必要病床数を下回り、計算上では547床不足することとなります。
浦和美園地区を含むさいたま医療圏では、順天堂の病院整備計画があったことで、許可等病床数が、必要病床数を上回っていたので、病床の公募は行われてまいりませんでした。令和9年度には必要病床数の見直しが行われる予定ですが、それを待たずして、今後は速やかに、地元の医師会や医療機関及びさいたま市に対し、医療ニーズを丁寧に伺い、不足分の対応につき検討してまいります。
上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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