県の防災対策について-埼玉県地域防災計画について-

Q.蒲生徳明 議員(公明)

東日本大震災以降、避難生活での身体的・精神的負担が増えて、引き起こされる災害関連死の防止が重要な課題となりました。能登半島地震では死者数535人のうち災害関連死者数が307人に上り、災害時の直接被害による死者数を上回っています。
災害関連死を招く要因の一つが、避難所の生活環境です。能登半島地震で開設された避難所はトイレ環境が悪く、プライバシーが確保されずに妊産婦や高齢女性が水分をとらない事例があったと聞いています。
災害関連死を招く要因のもう一つが、地域福祉機能の低下です。被災地では福祉サービスの継続や早期の再開が難しく、高齢者や障害者などの要配慮者が適切なケアを受けられずに体調を悪化させます。せっかく助けられた命を守るためにも、災害時に迅速な福祉的支援の提供が求められます。
国の中央防災会議では、昨年6月、国や自治体による災害対応の基礎となる防災基本計画の修正を決め、能登半島地震で要配慮者が数多く被災したことを踏まえ、避難所の生活環境の改善や災害応急対策に福祉的な支援の必要性を明記しました。
政府は、今月14日、被災者支援の充実などを柱とする災害対策基本法等改正案を閣議決定し、法案には高齢者等の要配慮者や在宅避難者等の様々な支援ニーズに応えるため、公明党の訴えを踏まえ福祉サービスの提供が明記され、福祉関係者との連携強化が盛り込まれています。法改正を受けての県の取組を伺うのは改正法の成立、施行を待たなければなりませんが、今回の災害対応の基礎となる防災基本計画の修正内容を本県はどう受け止め、地域防災計画にどう生かそうと考えているのかを知事に伺います。

A.大野元裕 知事

今回の能登半島地震は、高齢化著しい地域で発生したこともあり、災害対応上教訓とすべき様々な課題が明らかとなりました。
令和6年11月に公表された国の能登半島地震検証報告では、災害関連死犠牲者のうち、80代以上の方が8割以上を占め、高齢者等要配慮者への支援をより一層充実させる必要があるとされています。
議員お話しのとおり、令和6年6月の防災基本計画の修正では「避難所の改善」や保健医療・福祉関係者と連携した「福祉的支援」の必要性を位置付けており、重要な修正と認識をしており、先ほど申し上げた国の報告を見ても、これが改めて確認されたと思っています。
現在、県としては、防災基本計画の内容や国の検証報告等を踏まえ、地域防災計画の修正を令和7年5月に行う予定であります。
避難所環境改善としては、避難所開設当初からパーティション等設置に努めることや、トイレカー等の快適なトイレ設置に配慮するなどの明記を考えております。
さらに、福祉的な支援としては、理学療法士等で組織する災害リハビリテーション支援チーム、JRATを避難所等へ派遣をし、避難者で生活不活発病などを予防するほか、災害支援ナースを派遣し、被災者の健康確保に必要な看護を提供することなどを盛り込むことを考えています。
また、計画の修正に先行して災害ケースマネジメントについて、令和6年度埼玉版FEMA図上訓練を実施し、県社会福祉協議会等の関係機関と課題を共有し、その対策に取り組みます。今後、改正予定の災害対策基本法の内容も踏まえ、引き続き、地域防災計画を見直しながら県の災害対応力向上に努めます。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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